十二ヶ月の彩り

四月【誕生花・カスミソウ/誕生石・ダイヤモンド】


 カスミソウにつきまとわれて、迷惑してないかって? そんなことはないわ、でも、よく私のこと見ているのね。
 そうね、本当に、いつからかしらね? 彼女のことは、よく見かける顔だなって、思っていたの。
 実際はきっと、違うわね。私の方が、あの子をずっと、見ていたんだわ。
 あんまり、私みたいな派手顔じゃないの。はっきりきっぱりものを言うこともないのに、うまく立ち回っていたわ。彼女がいなかったらうまく場がまとまらなかった、なぁんてこともあったんじゃないかしらね。気を回すのが、上手なのよ。気を遣って根回ししてくれて……どれだけの人がそれで、助かってきたのかしら。
 だからね、私ね、あの子を……カスミソウを地味だって言って嘲る人たち、嫌いよ。ついでに、私がダイヤモンドだからってあからさまにちやほやされるのも、そんなに好きじゃないわ。
 そりゃあね、世の中は不公平なものだから、顔の良し悪しで扱われ方が変わったりすることも多いわ。で、私がとっても恵まれているっていうのも、重々わかっているつもりよ。情けをかけているって言われたら、反論できないものね。
 でもだからって、私が一緒にいたい相手まで、顔の造りで決められたくはないの、わかる? 私が気にかけた相手が気に入らないからってつらく当たるのは、正直私にとって迷惑でしかないのよ。私の癒しのカスミソウに嫉妬で見苦しい態度をとるのであれば、私だって人付き合いについて考えなくちゃいけないわね?
 ふふっ、顔色が悪いわよ? 今更、私が怒っていることに気付いたの?
 わかったんならとっとと失せな。次に同じ轍を踏んでみな、本気でしばくぞ。
 あらイヤだわ、うっかり口が滑っちゃって。でも……わかるわよね?